人間は約500万年前、サルから分かれて樹上から地上に降り、二本足で立って歩くようになりました。立つことで手が自由に使えるようになり、それまでの木の葉・実など限られた食糧から、さまざまな植物、動物を食べるようになり、これによって身体に多くの栄養源が取り込まれ、10万年ごとにスプーン一杯分くらい脳の量を増やしてきたと云います。つまりエネルギーと栄養源の多い食糧が、サルを人間に変えたのです。しかしいま我々の周りには、あまりにも多くの食べ物が良いも悪いも氾濫し、しかも簡単に食べられるようになったため、我々は「ごはん」という手間をかけた家族団らんの伝統的栄養摂取から、手っ取り早く見た目の良いもので空腹を満たす孤食的栄養摂取に食生活が変わり、栄養状態は極めてバランスを欠いたもの(カロリーは足りてもビタミン・ミネラル・食物繊維が不足)となり、頭も身体もイキイキ働かず弱体化しつつあるとさえ云われます。
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中学生の食生活と精神状態の関係 |
脳をイキイキさせるにはよく噛むことも大切です。脳に送られる刺激の50%は口を動かすことが受け持っているからです。繊維質の多い野菜はまさにうってつけで、生ごみ堆肥で育てた健康野菜を、脳の活性化にも役立てたいと考えています。
鈴木雅子:その食事ではキレる子になる、河出書房新社(2001)
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