先日のテレビで、食事において「一物全体」をいただくことの大切さを放映していました。一物全体というのは食料として頂く動物、植物の全体を指します。つまり生物として成長したものの全体を食べた方が、栄養バランスの取れたものがいただけるという意味です。テレビではトウモロコシのヒゲや、実を取った後の芯まで料理に使っていました。確かに大根にしてもお米にしても、捨てる葉っぱや米ぬかの方に栄養は偏っており、できるだけ一物全体をいただく方が栄養バランス的にはよいわけです。その点、肉や大型の魚などは全体のごく一部を食べることになります。それが原因かどうかはわかりませんが、面白い話があります。
20世紀初頭の第一次世界大戦時、酪農国家デンマークは海上を封鎖され、食料が輸入できなくなったそうです。そこで牛、豚、鶏などの家畜をすべて処分し、家畜に与える穀物や野菜をすべて人間に回したそうです。肉を1キログラム作るのには少なくても7~8キログラムの食糧が必要で、大変不経済だからです。その結果は病気が激減し、平均死亡率も大幅に減少し、歴史的健康時代を迎えることになったそうです。一方、ドイツは逆に穀物や野菜を家畜に与えて食肉化し、それを食べて敵軍を蹴散らそうとする政策を取ったそうです。しかしその結果は慢性疲労や病気が蔓延し、ドイツは敗戦国になったというのです。ブログ
長生きするには肉を食べるな? 食べろ?でも、明治政府の招へいで日本に長期滞在したドイツ人医師ベルツ氏の、日本における興味深い実験を紹介しました。低たんぱく、低脂肪の粗食を食べていたお抱え人力車夫に、ドイツ栄養学に基づいて肉を食べさせたところ、それまで毎日40キロを走ってもなんともなかった車夫の疲労がはなはだしく募り、走破できなくなったというのです。そこで食事を元に戻したところ元通りに走れるようになり、ベルツ氏は一見「粗食」に見える日本食の威力に脱帽したという話です。これらの話は人間にとって本当に必要な食べ物は肉類ではなく、穀物と野菜であることを教えています。
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次回ちーたびのチラシ |
いま和食が世界で大変なブームになっています。和食はお米、野菜、発酵食品をベースにしていて、現代人に決定的に不足しているといわれるミネラル・食物繊維が豊富で、第二の脳といわれる腸の調子を整え、血糖値・コレステロールの上昇を抑え、免疫機能を高めてくれます。また、野菜に含まれる
フィトケミカルは体内で抗酸化作用の働きをして、老化やガンを予防してくれます。しかし肉とか魚には食物繊維が含まれていません。だから便秘気味の人や便秘になりがちな高齢者が多く食べると、体内で腐敗して毒素をまき散らすことになりかねません。また、魚はコレステロールや中性脂肪を低下させるEPA、DHAを含んでいるため、食べることを推奨されますが、大型になると
食物連鎖により水中に微量溶存する有毒物質(PCB、DDT、ダイオキシン類など)を、数百万倍にも濃縮して蓄積しているといわれ、食べるならできるだけ濃縮の少ない小魚で、一物全体をいただくようにした方がよいといえます。和食は食物繊維が多いため、よくかんで食べる必要があります。このよくかむということが消化だけでなく、脳の活性化にもとても大切なのです。食事は一口30回よくかんで、感謝しながらゆっくり食べましょう。それがどんな薬・サプリメントよりも身体・精神面にとって有効だからです。
7/12(日)に吉津地区公民館(宮津市)において、宮津市食生活改善推進員協議会会員で管理栄養士の高岡弘美氏を講師にお招きして、「生活習慣病対策 和食の料理教室」を開催します。食材には私たちの「エコの環」野菜をできるだけ使いたいと考えています。時間は10時~14時で、会費は1,500円、定員10名です。ふるってご参加下さい。
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