2013年8月17日土曜日
複合汚染
いま私たちの身の周りには、プラスティックや洗剤、医薬品など化学製品があふれています。また、農作物、食べ物に関しても、化学肥料や農薬、あるいは食品添加物といった化学物質が非常に多く使用されています。もちろんこれら化学物質に対しては環境や健康を守るため、それぞれの法律で特定の化学物質ごとに安全基準が設けられています。しかし規制の数には当然限りがあり、しかも出回る化学物質は100,000種類にも及ぶと云われ、それぞれの相互作用もよく分からないなか、果たしてこれで我々の環境や健康が守れるのか、かねがね心配していましたが、新聞報道によるといま工場などから出る排水に対し、それが生態系にとって安全かどうか、生き物(ミジンコ、藻類、魚類など)を使って調べる手法「WET」(Whole Effluent Toxicity;全排水毒性)が広がりつつあるのだそうです。排水のサンプル瓶の中にミジンコを入れ、それを毎日観察してミジンコが死んでいないか、あるいは何匹子を産んだかを調べることで、排水が安全かどうか、どの程度の濃度で影響が出るかが分かるのだそうです。これなら現在排出規制のない化学物質の影響や、化学物質同士の相互作用、未知の化学物質の影響なども早期に検出でき、環境汚染に対し極めて直接的な検査結果が得られると期待されます。
化学物質の非常に怖い問題点の一つに、製造時に派生する不純物があります。不純物は量が少ないためほとんど注目されず、それがどんなに危険かは問題が起きてからでないと分からないからです。丁度枯葉剤に混じっていたダイオキシンのようなものです。だからこうした手法による検査は非常に有効と云えます。できればこのWET法が食品添加物の検査にも早期に導入できないものかと考えます。いまや食品添加物はほとんどの食品に添加され、我々の健康にとってもっとも直接的影響のある化学物質だからであり、法律では個々の化学物質の規制はできても、その複合汚染(相互作用)となるとまったく影響が分かっていないからです。
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