気候変動枠組条約の第3回締約国会議(COP3)が京都で開催され、京都議定書が採択されたのは1997年のことです。以来、「地球温暖化」は私たちにとって非常に身近な言葉になりました。会社で昼休にテニスをやっていた私自身は、それ以前から真夏の暑さが異常に感じられ、仲間によく「太陽がやけに熱くないか」と聞いたりしていましたが、「歳だよ、歳」と一笑に付されるのがオチでした。その後も温暖化については「地球温暖化説は誤りだ」とか、「CO
2原因説は間違っている」とか、逆に「地球寒冷化説」が唱えられたり、まさに議論が百出しましたが、ただ、最近の日本を始め世界各国で起きている異常気象を考えると、気候変動は間違いなく起きているように感じられ、非常に不安な気持ちになります。
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伊豆大島の土砂崩れ |
私が子供のころは二百十日とか二百二十日という言葉があり、立春を起点にした9月1日か9月10日ごろに、大雨・大風をもたらす台風のやって来るのが心配されたものです。その頃は大雨の基準も、総雨量で100mmが一つの目安であったように思います。ところが最近は台風以外にもゲリラ豪雨などがあり、わずか1時間に100mmを越す大雨が降ることも珍しくなく、土砂災害となる山崩れまで心配しなければならない始末で、気象庁も「数十年に一度しかないような非常に危険な災害」に対し、「特別警報」の運用を開始することになりました(8月30日から)。しかしそのわずか2週間後の9月16日にはもう台風18号に対し、その第1号となる警報を京都府・滋賀県・福井県に発令するハメとなり、京都府に住むわが家ではそれをテレビで知りましたが、「これまでに経験したことのないような大雨」とか、「ただちに命を守る行動を取ってください」と云われても何をすべきかよく分からず、京都・嵐山の渡月橋がいまにも壊れそうな状況にあるのを、ただテレビで眺めているだけでした。一方、風の方も、「竜巻」と云うのはアメリカの話しとばかり思っていましたが、最近は日本でも頻繁に発生するようになり、こちらも「竜巻警報が発令されました。この警報は何時何分まで有効です」と云われても、具体的にどう対処したらよいのかよく分からないのが実情です。いずれにしても全国いたるところで、何千人、何万人もの人々に再々避難勧告、避難指示が発令される状況は異状であり、気象現象が明らかに「すさまじさ」を伴ったものに変わりつつあると感じられます。
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濁流に襲われる渡月橋 |
ここで心配されるのが食糧問題です。TPP参加で日本の農業は大きな打撃をこうむると考えられ、政府も減反政策をやめ、農業の規模拡大による対抗策を考えているようですが、アメリカやオーストラリアといった農産物輸出国にしても、いますでに地下水の枯渇、塩類の集積、砂漠化といった問題を抱えるなか、果たしてこうした気候変動に対し、いつまで輸出国でありえるかが心配されます。これからは大規模農業ほどリスクは大きく、小規模農業(農業本来の姿)を見直すときが来ているように感じます。
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