ところでかつては定年退職を迎えた高齢者は、10年も余生を楽しめば皆亡くなったのです。しかしいまは20年以上も元気に生きるようになり、エンジョイするには余生が長すぎ、第2の人生として高齢者も社会貢献していくことを考えないと、国の経済が持たなくなってしまったのです。いま私の住む田舎で新しく建つ大きなビルといえば、老人ホームか介護施設です。無駄に建てているとは思いませんが、もっと高齢者が社会のために頑張れるような施設も作れないものかと考えたりします。私たちが進める「エコの環」は、生ごみの堆肥づくりから野菜の栽培、その販売、調理加工、いずれをとっても高齢者に大きな負担となるものはなく、むしろ非常に意義のある社会貢献策であり、こうした仕組みがこれからの社会には絶対に必要になると考えます。私たちが「エコの環」づくりを始めてから2年半が経ちます。まだまだ問題が多く試行錯誤を続けていますが、しかし今年の下半期から京都府と協働事業「ちーたび」を始めることができ、私たちの活動を広く知ってもらう足掛かりができました。また、宮津市とやはり下半期から「ピンと活き生き宮津ライフ」という活動で、高齢者の健康維持、事業の創出など、「エコの環」が目指す内容を具現化させる運動を始めることができました。これらは今年の大きな成果であったと考えています。
私たちは天橋立の内海、阿蘇海の環境を取り戻すのが目的の団体です。しかし阿蘇海のへどろから多用性のあるゼオライトが作れたといっても、それだけでは需要は生まれません。そこで地元での大量消費を狙って、次にゼオライトを使った「生ごみの堆肥化」に挑戦しました。そして生ごみ堆肥のみによる野菜づくりに挑戦し、次にその野菜の販売に挑戦し、気が付けば人工ゼオライトの合成に成功してから、いまの「エコの環」という全く想像もしていなかったシステムにたどり着くまでに、10年という歳月が流れていました。この間、土壌微生物、作物の栽培、健康問題、高齢者問題などについてもいろいろ勉強し、いまでは「エコの環」は成し遂げるべき事業であると、自信を持って言えるようになりました。「エコの環」で高齢者が元気になり、現役世代・年少世代に負担をかけないよう頑張ることが、地域の健康づくり、阿蘇海の環境の自然修復につながっていくようなシステムを、一刻も早く作りたいと願っています。 -それではよいお年をお迎えください。-
おいしい野菜を食べて、美しい阿蘇海を! |
0 件のコメント:
コメントを投稿