先日、テレビの朝番組で、20代、30代女性の77%が「日常生活でイライラを感じている」と報道していました。その日の昼のニュースでは児童への虐待が年々急増しているとして、関係者のデモ行進とシンポジウムの開催を紹介した後で、50代女性が閑静な住宅街で、何者かにナイフで切りつけられたという事件を報道していました。こうしたテレビ・新聞の報道に接すると、いまの世の中、何か全体が無性にイラついているように感じられます。
マクガバン・レポートが1977年に発刊され、「ビタミン、ミネラルの不足が目立つ」と警鐘を鳴らして以来、アメリカではこれら2種類の微量栄養素に注目が集まるようになりました。つまりそれまでのカロリー中心の栄養学が大きく見直されるようになったのです。右図はアメリカにある12ヶ所の少年院で、8,000人の少年を対象に食事内容を変えた時の、トラブル発生回数の変化を調べた結果です。炭酸飲料水を生のフルーツジュースに、砂糖や添加物の多いデザートやスナックを果物・生野菜・チーズ・ナッツに換えただけで、ケンカ、脅迫、看守への反抗、自殺などが47%も減ったといいます。そして食事の中の何が少年たちの行動や心理を変えたのかを詳細に調べた結果、5つのビタミンと4つのミネラルが凶暴性に関係していることが分かったといいます。
ところでビタミン(有機化合物)が欠けても、ミネラルがある程度までビタミンの役割を代行できるそうですが、逆にミネラルが欠けるとビタミンは吸収されることも、その機能を果たすこともできないといいます。また、私たちの身体の中では、常に約3,500以上もの化学反応が酵素の助けを借りて行われていますが、この化学反応に関わる酵素はアミノ酸とミネラルから作られています。つまりミネラルは人体の健康に最も直接的に関与していて、「全ての病気を追求していくとミネラル欠乏にいきつく」(ノーベル賞受賞学者、ライナス・ポーリング博士)そうです。そしてアメリカ議会でミネラル欠乏を議題にしたときの議会記録には、「アメリカ国民の99%がミネラル欠乏に陥っている」と書かれているそうです。なぜ現代人はこれほどまでにミネラル不足に陥っているのでしょうか。
ミネラルとは地球大地を構成する約100種類近い元素の総称です。私たち動物は植物が大地から吸収したミネラルを食べて身体を作っているのであり、結局は大地のミネラル構成に近い組成で形作られていると考えられます。しかし最近の農業は化学肥料(窒素・りん酸・カリ)は大地に大量投入しますが、他のミネラル類を全く投入しないため、だんだん農地がやせ細ってミネラル不足になっているのだそうです。したがってそこに育つ野菜・穀類もミネラル不足になり、それを食べる私たちもミネラル不足、ミネラル・バランスを欠いた状態になっているのだそうです。つまり私たちの健康を守るには、まず土作りが肝要であるといえます。私たちが作る「エコの環」野菜はスーパーで販売されている野菜に比べ、ミネラル分が多いという結果がありますが、私たちの畑には生ごみからのミネラル分が投入され、また、ゼオライトが保有するミネラルも付加され、当然かなと考えています。
森山晃嗣;アメリカはなぜ「ガン」が減少したか、現代書林(2010)
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