前回、天ぷら廃油を使ってローソクを作ってみましたが、意に反して暗くてほとんどモノが見えず、キャンドルライフを楽しむどころでないことが分かりました。そして原因として芯に使ったタコ糸が細く、それが灯火を小さくし、ローソクを暗くしたのだろうと考えました。そこで前回より2倍ほど太いタコ糸を使って作り直し、市販の類似のローソクと明るさを比較してみました。タコ糸の太さはほとんど同じです。
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天ぷら廃油(左)と市販(右)のローソク |
ローソクの傍らに本を置き、まず作り直したローソクに点火してみました。しかしやはり前回と変わらないほど暗く、本を読むことができません(写真には本も写っていません)。次に市販のローソクに同様に点火してみました。するとかなり明るく、本もかろうじて読むことができます。この比較から暗い原因がはっきりしました。ローソクの芯の太さというより、天ぷら廃油のローソクはぐい飲みチョコに流し込んで作ったのですが、流し込むときあふれてはまずいので、チョコの9割程度の高さにまでしか廃油を流し込んでいません。ということはローソクの灯火の周りにチョコの壁ができ、それが灯火をさえぎってローソクの足元を暗くしていたのです。ちなみにローソクを持ち上げると本はますます暗くなり、一方、市販のローソクは持ち上げると本がさらに明るくなりました。
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天ぷら廃油のローソク |
今回の実験から、ローソクを容器に流し込んで作る場合は、容器は光を通すガラス製のものであること、足元を明るくするにはローソクは細く、背の高いものが良いということが分かりました。一般にローソクは細長いですが、やはりそうした理由があるのです。どんなこともやってみて理解できるものです。
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市販のローソク |
ところで前回作ったローソクは、お盆で帰ってきた長男家族が花火をするというので、その火種に使っていましたが、花火のなかの一つが燃えたままローソクの上に落ちました。いずれ消えるだろうとそのまま放置していたのですが、そのうちに熱でローソクが溶け液状化してしまいました。しばらくするとまた固まったのですが、廃油凝固剤で固まったように見えても、少し熱が加わると簡単に再溶融するようです。時代劇を見ると昔は行燈の中の火皿に菜種油とか魚油を入れ、そこに灯芯を浸して点火していますが、天ぷら廃油のローソクはこの行燈の油に毛が生えたようなものともいえます。ちなみに江戸時代はロウを使ったローソクは非常に高価で、照明には使えなかったといいます。そこで行燈で油を燃やしたわけですが、その油も菜種油はかなり高価で、一般庶民は臭いやススのでる魚油(イワシ油)を使ったといいます。しかしその魚油すら高価で、油売りは量った量の最後の一滴まで油さしに入れることが求められ、それに時間がかかるため世間話などで間を持たせる必要があり、これが一見仕事を怠けているように見えることから、「油を売る」という言葉が生まれたといいます。
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