2012年12月1日土曜日

咀嚼

  先日のテレビで最近の若者・子供たちは歯並びが悪く、外国では学校の成績に影響するため、低学年の内に歯の矯正をする子供がすごく多いと云っていました。確かに最近の若者・子供たちは、ファストフード・レトルト食品・インスタント食品など、柔らかくてよく噛まなくても食べられるものを食べつけているため、アゴが発達せず細くなり、その影響で歯並びが悪くなっているようです。歯並びが悪いと噛み合わせが悪くなり、噛む力も弱くなります。すると噛むことによる脳への刺激が弱くなり、知能の発達にも影響するようです。柔らかい食べ物で育てたネズミと硬い食べ物で育てたネズミでは、知能の発達に大きな差が現れると云います。よく噛むことは老人のボケ封じにもなるそうです。
  噛むということは動物にとって、食べ物を摂取するのに欠かせない行為です。人間では1.1~1.5リットルもの唾液が噛めば噛むほど出て、消化を助けてくれると云います。唾液には病気を治す働きや殺菌・解毒作用もあり、それによく噛むと耳下腺からインシュリンの分泌が促され、糖尿病の予防にもなると云います。また、少量の食べ物で満腹感が得られ、健康体を維持しやすくなります。つまり噛むことは生きるための基本的機能と云えるようです。しかしいまは食べ物がどんどん柔らかくなり、それに噛まなくてもよいサプリメントの類がどんどん増え、噛むことがおろそかになっています。人間の退化が心配されます。
  食べ物を噛み砕くことを「咀嚼」と云います。咀嚼には「物事や文章の意味をよく考え味わう」という意味もあるように、食べ物の栄養分をよく吸収するには、よく噛んで食べ物本来の味をジックリ味わうことが大切と云えます。甘いまんじゅうはよく噛むと途中でイヤになり、とても食べられないと云います。それは甘い物は本来健康な食生活になじまないことを意味します。食事はじっくりと時間をかけ、砂糖などで味付けしてない歯応えのあるものを、よく噛んで食べるに限ります。


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