生ごみの堆肥化で健康づくり


経済的豊かさと食事の変化
世界85ヶ国の食事のパターンをカロリー源である脂質、糖質、タンパク質で分類し、一人当たりのGNP順に並べると右のような図が得られるそうです。図の一番下は最貧国、一番上は先進国の食事のパターンを示し、生活が豊かになるほど脂質が増え、その分糖質が減るものの砂糖が増え、タンパク質は動物性が増えることが分かります。つまり生活が豊かになると高タンパク、高脂肪、高砂糖、高カロリー、高精白(五高)の食事になりやすく、ビタミン・ミネラル・食物繊維が減って(現代型栄養失調)、これが生活習慣病の急増につながることが分かってきました。アメリカは医療費の急増に危機意識を持ち、マクガバーン委員会が1977年に食事の改善を勧告しています。


日本の医療費の推移
一方、われわれ日本人の食事のパターンですが、1962年当時は経済力に比して脂質の比率が小さく、最貧国並みであったといいます。マクガバーンレポートでも「日本食は地球上で最も理想的で、ヘルシーな食事である」と述べているそうです。しかしその後は食事の欧米化が進み、日本の医療費もいまや破たんの危機にあります(右図)。
アメリカは医療重視から食生活改善への意識改革に取り組み、1991年からは生活習慣病対策として、「5 a Day」(低脂肪・高食物繊維食として1日5品目以上の野菜と果物を食べる)運動を始めています。そしていまやアメリカ人の野菜摂取量は日本人より多く、生活習慣病による死亡率も減少傾向にあるといいます。生ごみ堆肥で育てたビタミン・ミネラル豊富な健康野菜を、地域の健康づくりに役立てたいと考えています。


野菜の摂取量

全ガンの死亡率(10万人当り)












永田、高畑、平田、福原:母乳と和食で家中病気知らず、ペガサス(2001)
鈴木雅子:その食事ではキレる子になる、河出書房新社(2001)
森下自然医学、No.532、p.25(2010)

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