2012年10月26日金曜日

享年 ?

先日、近所の方の葬儀に参列しました。享年100歳とあり、「エツ! 100歳になっておられたかな?」との疑問から、享年について調べてみました。そしてお母さんのお腹の中にいた、十月十日(1歳)を加えた年齢であることを知り、享年に込められた命というものの考え方に、深い感銘を受けました。そしてある本(武者宗一郎;見えざる恐怖 食品汚染)に書いてあったことを思い出しました。
人間の成長の度合い
その本によると生命の始まりである受精卵は、十月十日の間にものすごいスピードで分化を遂げ、この間の成長度合いは、生まれてから死ぬまでの期間に匹敵するほどの重要性を持っているそうです。つまり人間としての成長の半分をこの胎生期が占め、この妊娠期間に母親がどんな食生活をし、どんな精神生活をしていたかで決定づけられ、栄養バランスの良い食事、食品添加物や化学合成物質の排除、また、胎教が非常に重要なのだそうです。次に重要なのが3歳までの乳幼児期で、「三つ子の魂百まで」といわれる部分です。人間の子でもオオカミに育てられると直立すらできないといいますが、人間の脳が驚くべき速さで成長する時期です。なかでも母親のおっぱいで育てられる最初の1年は、その後の人間形成を左右するほどの重要性を持っているそうです。つまり才能、性格、あるいは肉体条件を含め、人間としての完成度の3/4は母親の親としての自覚に負うところが非常に大きく、この影響を心理学用語で「インプリンティング(刷り込み)」というそうです。




2012年10月24日水曜日

歯周病

先日テレビで「歯周病」のことをやっていました。40歳以上の80%が罹っている可能性があるというから驚きです。これが進行すると歯が抜け落ちるだけでなく、特に糖尿病とか血管障害のある人は、歯周病菌が体内に流れることで、命を落とす危険もあるというから怖いです。歯周病菌の働きを抑え込むのに有効なのが唾液で、唾液を十分に分泌させるにはよく噛むことが重要で、それには野菜を食べるのが良いと云っていました。野菜には繊維質が多くよく噛む必要があることと、その食物繊維が歯周病菌を掃除して捨ててくれるからだそうです。

野菜をたくさんよく噛んで食べよう
いま我々は、生ごみ堆肥で育てたビタミン・ミネラルが豊富な野菜を、地域の健康づくりに役立てようと、「エコの環」づくりに取り組んでいます。それは生活習慣病といわれるガン、心臓病、脳卒中、高血圧、糖尿病などは、いずれも野菜摂取量の不足が大きな原因であるといわれ、アメリカではすでに1991年から「5 a Day」、1日に5品目以上の野菜と果物を食べる運動が展開されているからです。つまり食物繊維には腸内を掃除して、食品添加物・農薬・その他有害物質を排除する働きがあるのです。それと脳への刺激の50%はよく噛むことで伝わるといわれ、特に発育盛りの子供の知能の発達、老人のボケ封じにはよく噛むことが非常に大切で、それには食物繊維の多い野菜を食べるのがよいと云われるからです。「歯周病」にも似た働きで野菜が有効だったとは、勉強になりました。


2012年10月13日土曜日

モグラ退治

被害を免れたさつまいも
2週間ほど前、モグラのことに触れました。その時は野菜の栽培を依頼している人の話しとはいえ、まだ他人事でした。しかし昨日、隣組の野菜を出荷しようと家内と隣組の人がさつまいもを掘りに行き、「みごとにやられた」とガックリして帰ってきたのを見たときは、改めてモグラの被害の深刻さを実感しました。7~8mの畝にまっすぐモグラの穴が通り、右の写真のわずか2個しか残っていなかったそうです。苗を植えてから数か月、ほったらかしの状態にあったとはいえ、隣組にすれば貴重な収入源。人間なら窃盗事件として警察に届け出て憂さも晴らせますが、モグラでは憂さの晴らしようもありません。無農薬の貴重なものだけに、くやしさもひとしおといったところです。
  インターネットで調べるといろんなモグラ退治のやり方があり、モグラに苦しめられてきた多くの人の苦労がしのばれます。車やバイクの排気ガスを穴に吹き込むといった方法もあり、こうなるともう怨念の領域といった感じがします。ちなみに近所の人にモグラ退治について聞いてみると、彼は通路に2本の刃物を立てていると云います(下の写真)。こうするとモグラは刃物が怖くて近づかないと云いますが、本当かな?
モグラ退治用の刃物

2012年10月5日金曜日

野菜の販売状況

  今年の4月から地元の小学校区で始めた「エコの環」づくりの、野菜販売額の推移は下図の通りです。当初、月に15,000円ほどの販売額を見込んでいただけに、一見順調な推移に見えますが、まだ不定期出荷で野菜の量が少ないため宣伝もできず、しかも売れ残ってもまずいので安い販売価格になりがちのなかでの結果です。しかしお店屋さんから「今度はいつ?、何がある?」とか、「お客さんが・・・・・がおいしかったと云っていたヨ」とか、うれしい知らせもチラチラ聞かれるようになり、それを励みに頑張っています。
  いまは野菜栽培者とNPOとの利益配分は2対1ほどで、1,000円以下の取り分の人もいれば、7,000~8,000円の人もいます。少ない額でも「こんなにもらっていいのか」と喜んでくれる人もいれば、「期待していたのに」と残念顔の人もいます。こちらもできるだけ栽培者の取り分を増やしてあげたいのですが、そうするとNPOの自立が遅れるというジレンマがあり、利益配分は悩ましい問題です。野菜の出荷量を増やすには生ごみ処理量を増やす必要があり、いまはそのための寄付集めに頑張っているところです。


野菜販売額の推移


2012年9月25日火曜日

自然界の共生

イノシシ・鹿よけフェンス
先日コメリで、生ごみ堆肥で野菜づくりをお願いしている人にバッタリ会いました。先方は何かを真剣に探しておられ、こちらが呼びかけるまで全く気付かれませんでした。聞くと「モグラが出て困っている」とか。そういえばこれまでにも生ごみ堆肥で野菜づくりをしている人達から、「モグラ対策のいい手はないか」とよく相談されていたことを思い出しました。農業は素人同然のこちらに妙案があるわけがなく、「探しておきます」とこれまでやり過ごしてきましたが、生ごみ堆肥を入れた畑は段々と土の色が黒く変色してくることを思うと、地下の生態系が元気になり、それがモグラを呼び寄せるのかとふと考え込んでしまいました。我々が住む地域の畑は、近くに民家があってもイノシシとか鹿に荒らされる被害が多く、それを防ぐ囲いが絶対に必要で、なかには要塞にも似た囲いが見られます。自然環境を守るには動植物との共生が大切といわれますが、それはお互いの厳しい生存競争の上に成り立つ共生であることを思い知った次第です。
  いま日本は隣国の中国、韓国と領土をめぐり緊張状態が続いています。中国とは国交回復40周年の式典も見送られる始末です。国と国との友好も決してハッピーなことだけで築けるものではなく、厳しい緊張関係の上に築かれるものなのでしょう。


2012年9月5日水曜日

中長期計画

  「エコの環」づくりには3ヶ年の実行計画を作っていましたが、ステップ3の第三者認証の審査を受けたとき、もっとしっかりした中長期計画を作り、広く公表した方がよいとのアドバイスを受け、基本方針なども掲げた5ページにわたる計画を策定しました。下表はその一部で、「エコの環」づくりの展開イメージを示しています。
  現状は3台の”たいぞう君”で月に300kgの生ごみを処理し、できた堆肥を野菜栽培者3人に無償で渡して野菜を作り、地元で販売していますが、それを4年後に7台の”たいぞう君”で月に840kgの生ごみを処理し、8人の野菜栽培者により野菜販売額を月に30万円に伸ばし、事業の自立をまず図ります。その後他の地区への水平展開を図りながら地元では引き続き事業の拡大を進め、10年のちに地元の生ごみを全量処理(8,250kg/月)し、野菜の販売額を月に300万円にまで伸ばして、高齢者を中心に30人ほどの雇用の創出を図ろうとするものです。

「エコの環」づくり中長期計画の概要

2012年9月3日月曜日

へどろヒートポンプのその後

  へどろの優れた吸湿/放湿特性を利用すれば、水を冷媒に太陽熱をお湯として回収するヒートポンプが作れます。下図は最近行った実験結果の一例です。銅板(460×230×0.5)に銅パイプ(Φ22×0.5t)を溶接して白昼の太陽の下にさらし、十分温度の上がった時に銅パイプの中に水を滴下します。この水の滴下には病院で使用する点滴装置を利用します。すると水はすぐに蒸発するので、この蒸気をへどろに誘導、吸着させます。このときへどろは吸着熱で熱くなるので、これを冷水もしくはエアコンの排気扇で冷却してやると蒸気の吸着が促進され、パイプ中に滴下した水はどんどん蒸発してパイプの熱を奪うため、銅板の温度(青色)は何もしない銅板の温度(赤色)に比べ、20℃ほど下がります。この技術を真夏の建屋、道路などの熱回収に利用できないか考えています。

ヒートポンプの実験結果